そう思ったこと、ありませんか?
「FCS? Futures? トライ? ツイン? サイズは?」
専門用語ばかりで、何が自分に合っているのか全くわからない…
そんな経験、きっとあなたにもあるはずです。
⚠️ 注意
本記事はショートボード(パフォーマンスボード)のフィン選びを対象としています。
ミッドレングスやロングボードは選択基準が異なるため、別記事をご参照ください。
📚 目次
ステップ1: あなたのボードの規格は? 『FCS II』or『Futures.』を確認しよう
どんなに良いフィンを選んでも、ボードの規格に合わなければ装着できません。
フィン選びの最初のステップは、ご自身のボードのフィンボックス規格を確認することです。
📊 2大規格の見分け方
| 規格 | 見分け方と特徴 |
|---|---|
| FCS II | フィン根元にツメ(タブ)が2つ。ネジ不要または1本ではめ込む、世界的に最も普及しているシステム。 |
| Futures. | フィン根元が1枚のプレート状。ボードの前面からネジ1本で固定する、グラスオンに近いフィーリングが特徴。 |
💡 重要
まずは、ご自身のボードのフィンボックスがどちらの規格なのかを必ず確認し、対応する規格のフィンを選びましょう。
ステップ2: セッティングは迷わず 「トライフィン(スラスター)」一択!
規格を確認したら、次は「フィンの枚数(セッティング)」を決めます。
結論: 初心者はトライフィン一択です。
🏆 トライフィンの特徴
| 枚数 | 3枚(サイドフィン2枚、センターフィン1枚) |
| 推奨理由 | 直進性、回転性、安定性のバランスが最も取れている。どんなコンディションでも安定した操作性を提供します。 |
なぜ初心者にトライフィンが最適なのか?
✅ クセがない乗り味
トライフィンは、すべてのセッティングの中で最もニュートラル(中立的)な乗り味を提供します。この安定感が、ボードへの立ち方、体重移動、ターンの基本動作を習得する上で、最高の土台となります。
✅ 汎用性の高さ
小さな波から頭オーバーの大きな波まで、ほとんどのコンディションに対応できる万能性を持っています。フィンセッティングを変えずに、様々な波を経験できるため、集中して練習に取り組めます。
✅ 市場の豊富さ
最もスタンダードなセッティングであるため、市販されているフィンの種類が圧倒的に豊富です。上達に伴って素材や形状を変えたいときも、トライフィンなら選択肢に困ることはありません。
💡 アドバイス
まずはトライフィンで基本的なボードコントロールを身につけ、自分のライディングスタイルが明確になってから、ツインフィンやクワッドフィンといった「個性的な乗り味」に挑戦することをおすすめします。
ステップ3: 体重に合ったサイズを選ぶ サイズミスは致命的!
フィンのサイズ(Grom, S, M, Lなど)は、あなたの体重に合わせて選ぶ必要があります。
体重とフィンのサイズが合っていないと、ボードの操作性や安定性が著しく低下してしまいます。
📊 体重別フィンサイズの目安
| サイズ | 推奨体重の目安 | サイズが合わない時の影響 |
|---|---|---|
| Grom | 35〜55 kg | ジュニア層向け。大人が使うとホールド感が得られない。 |
| S | 55〜70 kg | 体重が重いとターン時にテールが抜けやすい。 |
| M | 65〜80 kg | 👑 最も汎用性が高い。ほとんどの成人男性・女性に適合。 |
| L | 75〜90 kg | 体重が軽いとボードの操作が重く感じる。 |
サイズ選びのポイント
✅ 基本はMサイズから
日本人サーファーの多くはMサイズで問題なく、特に初心者の方は、まずはこの最も汎用性の高いMサイズから試すのが無難です。
✅ 重い方は大きめ推奨
体重が重い方は、推奨体重の上限に近い場合でも、Lサイズを選ぶ方が安定感が増し、ボードのコントロールがしやすくなります。
⚠️ サイズ間違いの具体的事例
-
フィンが小さすぎる場合(例: 80kgの人がSサイズ)
→ ターン時にテールが横滑り(スピンアウト)しやすくなります。 -
フィンが大きすぎる場合(例: 50kgの人がLサイズ)
→ ボードが重く感じて操作が困難になり、クイックで機敏な動きができなくなります。
ステップ4: 素材は 「ネオグラス/樹脂系」が最適
フィンセッティングをトライフィンに決めたら、次は素材を選びます。
フィンの素材は、そのFLEX(しなり)を決定づけ、ボードの加速やターンの感触に大きく影響します。
🏆 初心者に樹脂系フィンが最適な理由
| FLEX(しなり) | 「柔らかい(フレックス性が高い)」ため、ターン時にフィンがしなり、その反発でボードに加速をつけやすい。脚力に自信がない方でもスピードを生み出す補助となります。 |
| 安全性 | 柔軟性が高いため、ボードやフィンに強い衝撃が加わった際、破損しにくく、怪我のリスクも軽減されます。 |
| 価格 | グラスファイバーやカーボンといった高性能素材に比べ、比較的安価に手に入ります。最初のフィンとして試しやすい価格帯です。 |
⚠️ 硬いフィン(パフォーマンスグラスなど)はまだ早い?
パフォーマンスグラス(PG)やカーボンといった硬い素材のフィンは、水圧に対する反応が鋭敏でクイックなターンを可能にします。しかし、これはボードへの繊細な荷重移動や高い技術が求められるため、最初のセットには向きません。
まずは柔らかい樹脂系のトライフィンでサーフィンに慣れ、ボードを動かす感覚を掴んでから、硬い素材にステップアップすることをおすすめします。
【実践編】よく行く海の「生きた情報」を活用しよう
フィン選びの基本(規格、セッティング、素材)を学んだら、最後に忘れてはならないのが、あなたが頻繁にサーフィンをする場所の「生きた情報」を取り入れることです。
フィンは波のコンディションに大きく左右されるため、地域のサーファーやショップから情報を集めることが、最適なフィンに出会うための近道になります。
| 情報源 | アドバイスを求める内容 | 活用のメリット |
|---|---|---|
| 地域のサーフショップ | 「このエリアで初心者におすすめのトライフィンセット」や「この海岸で一番売れているモデル」 | 地域の波質(パワー、ブレイクの速さ)を考慮した、プロの確実な推奨を得られます。 |
| 海岸の先輩サーファー | 「この波の時、どんなフィンを使っているか?」や「このボードに合うフィンは?」 | 周囲のサーファーの実績に基づいた具体的なアドバイスを得られます。ただし、アドバイスを求める際はマナーを守りましょう。 |
🎊 お疲れ様でした!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
あなたは今、フィン選びで失敗しない4つのステップを完全にマスターしました。
もう「フィンが合わなくて失敗した…」という経験をする必要はありません。
✅ 規格を確認(FCS II or Futures.)
✅ トライフィン(3枚)を選ぶ
✅ 体重に合ったサイズ(Mサイズ推奨)
✅ ネオグラス(樹脂系)素材
この4つを守れば、あなたのライディングは確実に変わります。
さあ、あなたに最適なフィンを選んで、
理想のライディングを実現させましょう。
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