🚀 トライフィンに慣れたあなたへ
トライフィンでサーフィンの基礎を固めたあなたは、もう一つ上のレベルへ進む準備ができています。
「もっとスピードが欲しい」
「ターンをもっとルースにしたい」
「フィンの性能を最大限に引き出したい」
このページでは、ツインフィン、クワッドフィン、そしてフィンの科学(FLEX・形状)について、詳しく解説します。
✅ このページの前提条件
トライフィン(3枚)でサーフィンに慣れていることを前提としています。
まだトライフィンを試していない方は、まず初級編からお読みください。
📚 目次
ツインフィン(2枚) 爆発的なスピードと軽快なスライド
ツインフィンは、センターフィンがなく、左右に大きなフィンが2枚配置されたセッティングです。
レトロフィッシュなどに多く採用され、その圧倒的なスピード感が魅力です。
📊 ツインフィンの基本情報
| 枚数 | 2枚(大きなサイドフィンのみ) |
| ライディング | ルース(緩い)で爆発的な加速力。軽快なスライド感を伴うドライブターン。 |
| 主な用途 | フィッシュボード、レトロ系、小波用ボード |
ツインフィンの特性とライディングへの影響
🚀 圧倒的なスピードと加速
センターフィンがないため、水の抵抗が極限まで少なく、トップスピードに乗るのが非常に速いのが特徴です。特にパワーのない小波でも、ボードが生き生きと走ってくれます。
🎨 ルースな操作感
テールエンドを抑えるフィンが少ないため、ターンはルースで軽快です。意図的にテールを滑らせるドリフト(スライド)などの遊び心あるアクションが楽しめます。
⚠️ デメリット
直進安定性が低く、スピードが出た状態や、波のパワーゾーンで強く踏み込んだ際に、フィンが水から抜けやすく、スピンアウト(横滑り)しやすい傾向があります。
そのため、安定性よりもスピードと遊び心を求める中上級者向きです。
クワッドフィン(4枚) スピードとドライブの完璧なバランス
クワッドフィンは、サイドフィン2枚と、テール付近に配置される小さなリアフィン2枚の合計4枚で構成されるセッティングです。
「Quad(4つ)」の名前の通り、水の抵抗を抑えつつ、ドライブ性能を高めた現代的なセッティングです。
📊 クワッドフィンの基本情報
| 枚数 | 4枚(フロント2枚、リア2枚) |
| ライディング | スピードとドライブ(推進力)を両立。波の力を効率よく捉え、鋭いターンと加速が可能。 |
| 主な用途 | チューブライディング、速い波、小波でのスピード確保 |
クワッドフィンの特性とライディングへの影響
⚡ 抜群のスピードとドライブ
センターフィンがないため水の抵抗が少なく、ツインフィンに迫る爆発的なスピードを生みます。さらに、テールエンドのリアフィンが波の力をしっかり捉え、トライフィン以上の強いドライブ(押し出し)を提供します。
🔒 高いホールド性能
4枚のフィンがテールを支えるため、高速時や急激なターン時でもホールド力(波への食いつき)が高く、スピンアウトしにくい安定性があります。
⚠️ デメリット
トライフィンに比べると、テールの踏み込みに対してルース(緩い)に感じることがあります。また、波のトップでの縦への返し(リップアクション)がトライフィンほどシャープになりにくいという意見もあります。
ファイブフィンシステム(5プラグ) 究極の汎用性を実現
ファイブフィンシステムは、ボードのテール部分に5つのフィンボックス(プラグ)が埋め込まれているボード構造を指します。
これは、特定のセッティングではなく、ボードが持つ互換性(ポテンシャル)を示すものです。
📊 ファイブフィンシステムの基本情報
| 枚数 | 5つのボックス(プラグ)がある |
| 最大の利点 | トライ、ツイン、クワッドのセッティングを自由自在に変更できること。 |
| 用途 | オールラウンド、ボードの乗り味を頻繁に試したいサーファー |
ファイブフィンシステムの特性
🔄 圧倒的な汎用性
5プラグボードは、波のコンディションや気分に合わせて最適なセッティングを瞬時に選べます:
- トライフィン(3枚): バランス重視の標準セッティング
- クワッドフィン(4枚): スピードとドライブ重視
- ツインフィン(2枚): 加速とルース感重視
🌊 一つのボードで多様なライディング
旅先などで「この波にはトライよりもクワッドが良い」と感じた時でも、ボードを替えずに対応できるため、最高のパフォーマンスを引き出しやすくなります。
⚠️ デメリット
わずかな重量増: 5つのフィンボックスをボードに埋め込む分、わずかにテール部分の重量が増す傾向があります。この差はごくわずかですが、超軽量化を追求するトップレベルのサーファーには嫌厭されることもあります。
フィンの科学 形状とFLEXが性能を決定する
フィンの性能は、枚数や配置だけでなく、その形状、しなり、素材といった微細な要素によって大きく左右されます。
ここでは、ボードの乗り味を根本から変えるフィンの科学について解説します。
知識①: フィンの各部名称がライディングに与える影響
| 名称 | 解説 | ライディングへの影響 |
|---|---|---|
| BASE (ベース) |
サーフボードに接する、フィンの底辺の横幅。 | 幅が広いほど直進安定性が高まり、ドライブ(推進力)を生みます。 |
| DEPTH (デプス) |
ベースを底辺とした時の、フィンの最も高い位置までの長さ(高さ)。 | 深いほどホールド性が増し、ターン時の安定性が高くなります。 |
| SWEEP (スイープ) |
フィンの輪郭がどれだけ後方へカーブしているかを示す角度。 | 角度が大きい(寝ている)ほどターンが長く、大きくなり、角度が小さい(立っている)ほどクイックで機敏なターンが可能になります。 |
| AREA (エリア) |
フィン全体の表面積。 | 面積が広いほどホールド力と安定性が増し、狭いほどルース(緩い)で軽快な乗り味になります。 |
知識②: FLEX(しなり)の科学と波への適合
フィンのFLEX(フレックス:しなり)は、素材によって決まり、ボードの加速とコントロールに直結します。
🌊 柔らかいフィン(フレックス性が高い)
| 特徴 | しなりが大きい |
| ライディングへの影響 | ターン時にしなりを貯めてリリースする(開放する)動きが加わり、ドライブの効いた伸びのあるターンをしやすい。 |
| 適したコンディション | パワーの無い小波や、ゆっくりとしたブレイク。しなりがボードを加速させる補助となります。 |
| デメリット | ターン時のレスポンスが緩慢になり、クイックなターンはやや難しくなる。 |
⚡ 硬いフィン(フレックス性が低い)
| 特徴 | しなりが小さい |
| ライディングへの影響 | 即座に水流を捉え、ホールド力(安定感)や駆動力(推進力)が増す。 |
| 適したコンディション | パワーのある速い波や、掘れた波。硬さが波の強力な水圧に負けず、ボードを安定させます。 |
| デメリット | ドライブを効かせた伸びのあるターンが難しくなり、ボードの動きがダイレクトに伝わる。 |
✅ ツインフィン: スピードとルースさを求めるサーファー向け。小波で真価を発揮
✅ クアッドフィン: ドライブとスピードの両立。パワーのある波で最強
✅ フィンの科学: BASE・DEPTH・SWEEP・FLEXを理解することで、自分好みの乗り味を追求できる
この解説を参考に、様々なフィンを試しながら、あなたの理想とするライディングスタイルを追求してください。
まとめ: 次のレベルへ
この応用・上級編では、ツインフィン、クワッドフィン、ファイブフィンシステム、そしてフィンの科学について解説しました。
🎯 フィン選びの次のステップ
1️⃣ まずはトライフィンを極める
基本となるトライフィンで、素材や形状を変えて乗り味の違いを体験してみましょう。
2️⃣ ツインフィンで爆発的なスピードを体験
小波の日に、ツインフィンの軽快なスピード感を楽しんでみましょう。
3️⃣ クワッドフィンでドライブ×スピードを追求
速い波の日に、クワッドフィンの強力なドライブとホールド感を体感しましょう。
フィン選びはサーフィン上達の楽しさを加速させる鍵です。
この記事で得た知識を総動員し、自分のライディングスタイルや波のコンディションに合った最高のフィンを見つけてください。
そして、あなたの理想のライディングを実現させましょう!
🎓 ここまで読んだあなたは、
もう仲間内で頼りになる「フィンアドバイザー」
ここまで学んだあなたは、すでに以下の知識を手に入れています👇
- ✅ ツインフィン・クアッドフィンの特性と使い分け
- ✅ フィンのBASE・DEPTH・SWEEPが与える影響
- ✅ FLEXの硬さがライディングに与える違い
- ✅ 波質・ボードサイズに応じた最適セッティング
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